私が男だったら、月一で満足できるような女には元々多分興味がない。 都合のいい女より、都合の悪い女の方を手に入れたくなる。 可愛いと半ば呆れて愛でるより、確固たる美しさに惚れると思う。 寂しい人より、寂しくさせてくる孤独さを愛するだろうし、香水…
久し振りにツイッターにログインした。フォロー1、フォロワー1のアカウント。聞きたいときに話を聞いて、独り言のように呟かれたそれに相槌を打って、他愛もない話で埋まっていて、誰にも邪魔されない私と君だけの空間で構築されていた。何かあったらお互い…
夢を見た。あなたには人の心が足りない、と言われる夢。久し振りに見た、それは昔の記憶。掘り返される傷跡、カサブタを剥くみたいに。どうせ、他人は、ずっと他人同士。 何にもなれやしないよ。 だから、情けないよね、傷つけても、傷つけられても、きっと…
逃げようよ。 一緒に逃げようよ。 世界なんてやめちゃお。 何処でもない場所に、何にもなれない土地へ。 寂しい寂しいって生きようよ。 それでも今よりはきっとマシだよ。 どうして他人同士、惨めにしかならないかしらね。 現実逃避しかしていないから、アル…
一緒になって逃げようか。 私のいない東京なんて興味ないでしょ。 鞄一つも持たないで。 なくて困るものなんてこの部屋にはきっと何もない。 焼かれたってちっとも悲しくない。 何を思ってサボテンを育てていたのか知らないし。 よく流れていた洋楽の歌詞の…
透明度の薄い人生だからって、ひとつも寂しくなんてなかったし、ひとつも悲しくなんてなかった。 主人公の喜怒哀楽ほど現実味の薄いものはなかったし、ストーリーブックエンディングみたいに綺麗に終わることもない。 彼らの物語に終わりは来るけれど、私の…
屋上は常に秘密と侘びしさと甘酸っぱさを孕んでは、一面の喧騒を風と共に吸い込んで噎せ返るくらい、ひとりぼっち、もしくはふたりぼっちとともにあるべきだった。 灯りだけが生存確認とやらを示すなら、今日も夜中がご死亡になられて薄汚れた空の星。 あっ…
平成最後の日に何をしますかって質問は、大晦日や元旦に似ていて、別に世界が明日終わる訳でも、何かが劇的に変わる訳でもないのに何故だが流行る。 どうしたって多分、一人でその日を迎えるんだろうし、だったらどうせなら、雨降りであるか、星がきれいな夜…
皆、何かに縋ってる。 昨夜の瞬き。 破れた夢。 誰かからの愛。 今を生き抜く為に。 必死に、縋りついている。 しがみついてる。 見境なく、周りなんて見えない、螺旋を描いて踊るように、舞うように。 すべて、押し殺して、飲み干す、それしかできない。 汚…
何かに絶望してない人なんかに、創作なんてできる訳がないだろ、と、隣の悪魔くん。 愛に絶望している癖に、どうして恋人なんか欲しがるの、と、その隣の天使くん。 自分を見つめなくて済むからだろ、と言って希望を喰らって生きていた悪魔くん。 ところで何…
安酒で喉を潤す。 色褪せた夢だけが目の前を過る。 桜にファックしたから君は天国に行けないよって悠々と歩く黒猫。 脆弱さ故の甘さ、いい加減、ウイスキーのボトルで殴られるぞ。 君といられるなら、そこが安らぎの地だろうと死地だろうと良かった。 励まし…
安っぽいミルクティーの味で満足できる安っぽい味覚。 甘さが焼けた舌の所為で半減。 渇き切った喉に中途半端な潤いで咽る。 ちくしょう、ここのところの涙目に自殺行為。 ワイヤレスイヤホンを遂に手にしたので、君の好きな音楽はコードレスのBluetoothで手…
真夜中も元気な自販機とコンビニの灯りだけ集めて、ひとつの星でも作れるんじゃないかって、ボヤッと思ってはチリ紙と共に捨てた。 宇宙規模で見たら君の悩みなんてゴミみたいなもんだよ、って、ゴミみたいな人間に言われた時の気持ち。 刺青を入れてみたい…
人の心に残り続けて、その人を殺し続けること。 誰かの人の心を掴んで離さないその粘着質な記憶。 言葉、誰もが持ち得る一定の価値観。 心を侵食し続けたら、いつかは腐敗するのだろうか。 内側からじわりと広がる痛みさえ、君のものだと固執する。 君の匂い…
寂しさという暴力。 孤独ですって、言えること。 愛されたいって願うこと。 君が今日もどこかで生きているという暴力。 誰かを好きって言うことで、誰かが傷つくかもしれないって可能性。 私がそれでも今日を生きているその小さな刃。 誰も無慈悲に殺しちゃ…
誰もが恋しく見えて冬。 明日の予定が消え去って春。 私はそんなにできた人ではありません。 自分に自信のない人の事を誰が好きになるのと言ってはひとり。 確約された明日なんかには興味がございません。 切り取られた言葉は空白で、過去も未来もないのだけ…
さよならも言わないで、心が死んでいく、冬。 挨拶しましょうって、学校で習わなかったの。 涙の蒸発からできたカプセルが宇宙で大暴走して爆発したとき、君はまだぬくいベッドの中にもぐり込んでいた。 NetflixもTSUTAYAも、すべり台を転げ落ちる程度の絶望…
ドクターマーチン履き潰して、片方の紐がどっか飛んでった。 ちっともおしゃれじゃないジャケットで着飾る若者。 剥がれかけたマニキュア溶かして、ささくれだけが目立ってる。 唇の皮を捲るのが癖だったよなぁ。 いつか呼吸をするだけで金がかかる時代がや…
昔者荘周夢に胡蝶と為る。 栩々然として胡蝶なり。 自ら喩しみて志に適えるかな。 周たるを知らざるなり。 俄然として覚むれば、則ち蘧々然として周なり。 知らず、周の夢に胡蝶と為れるか、胡蝶の夢に周と為れるかを。 周と胡蝶とは、則ち必ず分有らん。 此…
風が凍てついて二月。 街中を駆け巡る足音は軒並み早々と通り過ぎる。 乾いた音だけで構成された侘しい季節。 めいっぱい空気吸い込んだら窒息する感じ、嫌いじゃないけど。 誰かの心に残るというのは傲慢だろうか。 心を揺すぶって動かす存在は果たして脅威…
消えかかった街灯 煙草の煙 擦れた靴 寒い夜の雨の匂い 萎れた彼岸花 味のしなくなったガム 朝方の新宿駅 通勤ラッシュ スマホしか弄れない右手 SNSの無意味な言葉の羅列 あれがしたいこれがやりたいと言ってできない人 愛されたくても愛せない真夜中の住人 …
私が何かを成し遂げようとしたとき、必要なのはひとりで生きていく覚悟だった。 そして同時に、その時私は自分がどこまでも女であることをまざまざと見せつけられた。 突き通すのは難しいこと? 嫉妬、芽吹く混沌。 誰かを妬み嫉むのは自信がないからだと、…
無意識に培われた潜在意識というものが、なけなしに崩されていく感覚が面白いと自負していたのだけれど、鈍痛を含んだそれは日を追うごとに鮮やかな痕跡となり、私を追い込んで疲労に変えていった。 膿んでグジュグジュになったそれが、栓となって詰まらせる…
無数の言葉に埋もれて、真意の喪失。 作り過ぎだ、抽象的なものにまで、枠組みを持たせ過ぎて結局甚だに不自由になってるの滑稽だね。 辞書に幾つの言葉を登録させたら気が済むのか。 その狭い価値観の中に落とし込んでいたって君と私の距離感が縮まる訳でも…
ここから見えている景色は何一つ変わらないのに。 いや、変わらないからこそ。 何でこんなに生きることに必死になっているんだろう。 何で頑張ってあれやこれやをこなしているんだろう。 何にそんなに囚われているんだろう。 どこへ向かおうとしているのだろ…
君にも人並みに、夜を寂しく思ったことがあったろうか。 街灯の切れかかった灯りの下で白い息を吐ききって帰路を急いで。 遠くから聞こえる電車の音に後ろ髪引かれながら寒さを仰いで。 空を見上げたら星が遠くて、だけど届きそうだなんて訳のわからないこと…
たったさっきと今と、何も変わってないのに変わった気になる。 数秒前と、成長したことなんて、ひとつも。 だけど、なんだろうね、あぁ、一年こうだったな、今年はこうしようか、なんて。 ちゃっかり挨拶なんてして。 最後くらい、最初くらい、なんて託けて…
駅のホーム、電車を待つ。 私。 昨日はとうに過ぎ去った。 自分が可愛くて仕方がない人類。 誰しも自分の為でしか生きていない筈なのに慈善活動に精を出す。 愛されたい人が列を成す。 寂しいと嘆き出す構ってちゃんが後を絶たない。 都合の良い方向でしか他…
この間読んだ小説に、溺水する人を見ていることに性的興奮を感じる人と、溺水することに性的興奮を感じる人との異常性癖から生じる愛を描いた小説があった。 とあるアーティストが歌う歌には、「事故で亡くした夫から取り出した精子で受精成功、これってすご…
家賃7万のアパートの3階。 だらしのない服か、下着一枚か、もしくは全裸かで、ベッドに横たわっている真夜中の2時。 予定の何もないまま家にひとりでいるときの滑稽さたるや。 洗濯物は干しっぱなしだし、誰かに見せる予定もないパンツと、少しお高めのラン…