脳がない!

カリソメの体でしか生み出せないものたち

満天の

君との捩れた感情は、僕に燻った正しさを植え付けるには十分だった。

久しぶりに会ったあの子に、何となく変わったねって、あぁそう、例えば昔はもっときたない笑い方してたよ、って、言うのと同じくらい私だってきっと何かと変わっている。

肯定してあげたかった。

大好きだから別れようって言ってみたり、嫌いだけどずっと一緒にいるよねって言われてみたり、ひとりになりたいはずなのに誰かを求めて、みんなでいるのに孤独になってる。

そういうぜんぶの感情を、そうだねそんなこともあるよね、って許してあげたかった。

 

君は、大丈夫、ここにいる。

生きているなら、きっと大丈夫。

死んでないなら、それで良しとしよう。

それだけで、いいことにしておこう。

 

会っても会えなくても、生きても死んでも地獄なら、どうせなら愉しい地獄を彩ろう。

一瞬だよ、君が先に死んでも、僕が先に死んでも、すぐ追いつくよ。

だったらその一瞬、一緒に不幸になろうよ。

きっと瞬きする間に終わっちゃうから。

こんな不幸、ちょっと目を瞑ってたら通り過ぎてっちゃうから。

めいっぱい空気吸い込んで、窒息するまでに。

そしたらもうなんだって、君の後ろには一面の星空しか見えないから。