今、伝えなければならないこと。
毎日コロナ、何処行ってもコロナ、コロナという言葉がそろそろゲシュタルト崩壊しそうです。
今、この時期に、ここで何を書くべきか、しばらく考え倦ねていた。
本来、あまり具体的なことは書かないようにしている。
あまり、具体性を持たせて分かってしまう事を個人的に良しとしないからだ。
でも、それと、これは、別だ。
書いておかなければならないことがある。
臨床検査技師という医療従事者として、水商売というサービス業をする従業員として。
新型コロナウイルスというものが流行した当初、今と比べて少ないとはいえ、あらゆる症例が上がっていたが、それをざっと読んだ上で別段重要視していなかったように思う。
風邪程度、まぁ、年寄り子供じゃなきゃ死なないだろう、と。
それは、大概、今も変わっていない。
確かに若者で亡くなった方もいるが、割合からしたら少ない方だろう。
問題はそこではないように思う。
若者が、無症状で、感染してしまうこと。
そして、それが例え発症したとして、新型ウイルスなのか、それとも風邪なのか、他の肺炎なのか、中々区別がし難いこと。
この二つが厄介であるように思う。
例えばインフルエンザウイルスのように感染した事がすぐにわかるくらいの症状が出るなら、きっとその人は休みをとってなるべく他人と接しないようにするだろうし、そこで感染を拡大することも防げるだろう。
例えば、このウイルスが、他の疾患とは違う特有の症状が出るのならば、感染した事が分かって外出を控えるのかもしれない。
それが、この新型ウイルスでは不可能なのだ。
それだけ、無症状で、もしくは通常の風邪だと思って、他人に移すリスクが高くなる。
即ち、自分は大丈夫であっても、それが大丈夫でない人が感染する可能性を存分に高めているのだ。
酷な事だろ、我介せずで出歩いてた身勝手な人が、他人を殺すんだから。
でも、と、思う。
日本経済、だけでない、世界の経済が停滞している事は、放っておけることではない。
身近でも何人もの人が職を彷徨っているし、この状態がずっと続いたら倒産する、なんて声が至る所から聞こえてくる。
既に潰れた、やめた、という話は後を絶たない。
なんてこった、自粛要請を出した張本人が何の援助もしてくれないなんて!!
なーんて嘆いたところで現状、変わらない訳です。
きっと、だからこそ嘆きの彼らは言うだろう。
目に見えない命の危機より、目に見えて迫っている生活の危機の方が重要だ、と。
正直、そう言われたら、もう、そうですか、と言うしかない。
生きていたら何とかなるよ、という考えの人もいれば、生きていたって金がないなら死んだ方がマシ、という考えの人もいる。
極論を言えば、危機なんてものは、差し迫らないと理解し難いものだ。
幸か不幸か、私は医療現場にいる。
仕事はなくならないどころか押し寄せている。
更には今まさにそのコロナ検査をしている張本人でもある。
仕事は立て続けに増える一方、他の検査がなくなるわけでもなく、医療崩壊なんて言葉がネット上に飛び交っていたが、まさしく、である。
医療従事者の疲労とストレスは限界突破しているようにも見受けられるし、それで院内感染だなんだと騒がれたらひとたまりもない、何せ大抵の人間が通勤ラッシュ時の電車通勤なんだから。
アナタたち、ワクチンを急げ、検査をもっと、なんて言う割に、現場がどうなっているのかなんて見ようともしないのね?と、皮肉を売っている。
このコロナの一件で、忙しくなった割に給料は相変わらずな事に関して、帰り間際に中指立てている事はご内密に。
さてさて、このすべてを加味して、私は、あなたは、どうあるべきか、考える。
今までも、今も、これからも、良い子で自粛する人は自粛し続けるだろうし、私には関係ない自粛なんてするもんかと思ってる人は出歩くだろう。
私は、自粛してる人に対して経済を回せ、とも言わないし、娯楽に出歩いてる人に自粛しろ、とも言わない、あなたは私じゃないから。
ただ、考えて欲しいのは、あなたの身近に、年寄り子供や、病気がちな人がいるかどうか。
自分はいい、でも、もう、自分だけいい、では済まされないのだと思う。
私は大丈夫、では言い逃れできないのだと思う。
それだけ、即ち、個の責任は強い。
そういう人が身近に居るならば、やっぱり控えた方がいいんじゃないかなって、思う。
若くて健康ならいいよ、あなたもきっと若くて健康なんだろうけど、そうじゃないあなたの大切な人は、あなたの所為で死ぬかもしれないね。
そしてあなたが出歩く事で誰かにとっての大切な人をも脅かすかもしれないね。
でもね、仕事しに電車乗るだけでもリスクあるのよね、そうなったらさ、もうどうにもならないじゃない、そんなのどうにでもなれ、って思うよ。
だから、そう思うなら、もう、今だからこそしゃかりきに働けよ。
それで、その金握り締めて破綻するくらいまで経済回せよ。
命救う気ないなら、日本の経済救え。
いや、日本の経済なんて大袈裟なことは言わない、あなたの身近な大好きな場所や物にその金を使いなよ。
たんと遊んでたんと飲んで、たんと金落として、あなたの大切な場所が潰れないようにあなたの力で守りなさいな。
生かすも殺すも全ては消費者にかかっていることなのだから。
このご時世だから、と、外に出るのも、このご時世だから、と、外に出ないのも、その人それぞれの判断だろうし、それを止めるも促すも、周りは何も出来ないのだけれど、それでも、どのご時世だろうと、やらねばならないことや行かねばならない場所は相変わらず変わらなくて、だから、愛する人や愛する居場所の為に、あなたはあなたなりの方法で、あなたの大切な人を守ってくださいと、切に願います。
手遅れにならぬ様、願っております。