糖度1000%
ここから見えている景色は何一つ変わらないのに。
いや、変わらないからこそ。
何でこんなに生きることに必死になっているんだろう。
何で頑張ってあれやこれやをこなしているんだろう。
何にそんなに囚われているんだろう。
どこへ向かおうとしているのだろう。
大して守るものもなければ、後ろ盾すらないし、安心して愛せる人でもいればいいのだけれど、それと比例するように自分の事は嫌いになっていくし、寂しさは募るばかりで。
そんなに頑張らなくたって稼いで飯食って生きていけるってのに、頭使って体酷使して、ボロボロになっていく精神と体力だけ持ち合わせて、生きている意味や価値さえ見出だせない現状を更に貶める様にして、真っ暗闇の中を必至こいて全速力で走っている。
どこに向かっているのか、その先に何があるのか、そんなことをする理由すら知らない癖に。
立ち止まる。
足が竦む。
体と心がチグハグになっていく。
口から心臓が飛び出そう。
血液の流れる音だけが無様に鳴っている。
煩い、痛い。
動かしてないと自分の立ってるその下が急に空いて落っこちそうだ。
落っこちてしまえばいい。
あてのない明日にしがみついて何になる。
ぼやっと頭が霞む。
体が浮くような感覚の中、走馬灯が走る。
冷たい、苦しい、辛い、泣きたい、誰か、怖い、愛して、死にたい、死にたくない、見ないで、殺して、抱き締めて。
限界って、誰が決めるんだろう。
私の抱えた脆弱性。
心が痛いと苦しいから、外傷を加えたくなる。
私は放散痛って呼んでいるけれど。
私は一体何になりたいんだろう、どうしたいんだろう。
幸せになりたいだけだった。
きっと、誰しも幸せになりたくて生きている。
幸せになれない。
幸福とは、の定義から教えてください先生。
どれだけ頑張ったって幸せになれないなら、諦めてリタイアするでしょ、人生。
ハードモードなんて、選んだつもり無いんだけどな、気付いたらスーパーハードモード、超難関。
レベル99のボスキャラに、レベル10の一般市民が素手で戦ってる感じ、これ、クソゲーって言うんじゃないのかな。
そんな、強くないんですよ、脆いです、あぁもうそりゃあ硝子みたいに。
一度でいいから愛されてみたかった。
それでたったの数分だけでもいいから満たされてみたかった。
無償の愛とかいう言葉を惜しげもなく使って、ストーリーブックエンディングみたいなハッピーラブソングのひとつでも書いて、クソほど恥ずかしい思いしながら歌ってみたかった。
人生成功の鍵、みたいな本は、成功した人種が書いているからあてにならない。
挫折だらけで人のことなんて信用できなくて、幸せなんてガリガリ君の当たりが出た程度しか知らない寂しい人のこういう日記を匿名で集めた本が欲しい。
でも成功してないから本になんてならないね、きっと。
周りの人達が平然と息をして歩いているのが不思議に思えることがある。
よくも平気でいられるな、そんな、澄ました顔して真っ直ぐ歩けるな。
誘導員さんどこですかって、旗振ってればいいのかしら、でもみんな悩んでいるのよね、隣の川の水が美味しそうに見えるだけよ。
ストイックな先輩が転職するのに、安牌で受けたところをクソしながら蹴った、って話は死ぬ程かっこよかったけど、真似はきっとできないだろうなって思っている。
だって、私、自分の為だけに生きて辛いの我慢してたら、死にたくなっちゃったもん。
誰かに頼れるか支えられるかしないと崩れちゃうね。
まぁ別に支えられなくてもいいけど、瀬戸際で帰ってきたときにお帰りって、お疲れ様って、頑張ったねって、頭撫でてくれる人がいないと駄目みたいなんだよね、あぁ最悪、地獄でしょ。
愛されたい人、最後尾こちらです。
一人で生きてく覚悟で選んだ道だって、閉塞空間過ぎて根詰まる。
自分の為に生きて、それで満ち足りたら良かったのにな、その癖人の為になるとかいって稼ぎを搾取されると腹立つしなぁ、難儀難儀。
なのにお腹空いたらご飯は食べるし、眠かったら寝るし、その生きているサイクルが気持ち悪くてたまに起こる拒食症、睡眠障害。
なんで誰も私のところで交通事故起こしてくれないんだろう。
生きたいって願っている人から死んでいく理不尽さって何なのだろう。
日高屋でラーメン啜りながら、隣のおっちゃんが見ている新聞のどっかで起きた事件の文字羅列。
本当に、いつ、人が消えるか、死ぬか、いなくなるか、嫌われるか、分からないものだね。
怖いね、特に、生命ってものは、死んだらどうなるんだろうって疑問は子供の頃から私を恐怖の渦に陥れる。
今が尊い、なんて聖者みたいなことを常日頃から思えないですが、大切にしてくれる人を大切にしたいものだね。
大切だと思われている事に気付いていたいものだよね。
私はよく、言葉や行動で人を傷付けたり不快にさせたりして嫌われるから、人と話すのが怖かった。
ある一線以上に人と近付くのが嫌だった、それで失う事の方が苦しいなら、近くにいる安心感など知らないでいた方がマシだった。
だけどだからこそ、私が愛したいと、大切だと、思った人に対しては、嘘まるごと信じようって思う事にした。
決して、出来ているわけではないけれど、だって、誰も、嫌われたくって人と接している訳じゃないだろうし。
嫌われたっていいんだよ、きっと、そうしたらこんな私もっと嫌いだろって、大手奮って言えるから。
けど、やっぱり、自分がいいと思ってる人には、好かれたいよね、当たり前に。
そして、失いたくないよね、私の目の前から、消えないでって、思うじゃないの。
それでも、切れる縁はあるから。
私が私であることで、離れていく人もいるから。
傷つけるくらいなら傷つけられた方がマシだよ、壊れてしまう事は、震えるほど怖い、自分の干渉できる範疇外だと尚更に。
人の感情ひとつ、わからないんだもの。
苦しいな。
しんどすぎるから死んじゃいたいな。
何の為に生きてるか分からないからもう疲れたな。
でも、同じくらいしんどいなら、最後くらい、愛してる人に殺されたい。
それかもしくは肺にめいっぱい愛してるの言葉詰め込んで、窒息して死んでいきたい。
要するに、地獄みたいな糖度で命を燃やしましょってことだよ。