墓場の匂いがする
何をするでもなく頭の中を通り過ぎていく言葉たちに愛想を尽かして、もしかしたら形になっていたかもしれないものたちを風に揺らめかして流す。
僕は君の何にもなれなかったよ。
大切にしていた宝物だって、君から見たらガラクタだろうし、端から見たら可笑しいなってこと、たくさん言っていた。
可視化されてしまったら関係性が壊れてしまうけど、可視化しないと僕が壊れてしまうよ。
名付ける上での一定数の安寧を、放棄してしまったが故の畏怖。
安心したいが為の提示、確立したいが為の確定。
たくさん泣いたってたくさん傷ついたって何にもならないものだってたくさんあるのに、希望も絶望もごったにして潰していた。
何にしたってねむいんだ、このまま最愛の君を失うくらいなら死んだ方がましだった残暑の夕べ。