フェイクニュース
昔、憎いと思っていたあの人や、ぼんやり好きだなぁと思っていたあの人が、今日も変わらず見知らぬ何処かで生きているという事実。
そのそれらが何となく愛おしいと思う。
何れ消え行く消え去る命とりどりの縁そのものに、なして生涯永遠と名付けることが出来たろうか。
安直な偽名で堂々と闊歩する。
あの人やこの人の思考を少しでも覗けば何も言葉を失ってしまう脆弱性。
発言失態言葉の重さを質量として背に抱えて、これでもかと傷付くフリをするのがどこか上手かったのかもしれない。
両脇を擦り抜ける言の葉の刃先に対して、その目線、認識、余計な嘘噂、虚言症。
そうやって笑ってないで、恨みも泣きもせず、どうかあなたの築くその物語に私を登場させないでおくれよ。
おやすみそのひと言で、確信できる言葉だけ紡いで。