脳がない!

カリソメの体でしか生み出せないものたち

解像度ヲ上ゲヨ震エヨ世界

きっと、こういう感情の時に人は怒るんだろうなとか、こういう痛みを感じたときに苦しくて泣くんだろうなとか。

俯瞰的に捉えてどこか他人事で、体外からの刺激と地続きで心臓が寄り添うにしては、余りに楽観的だった。

河川の下流の石のように、幾度も流され小さく徐々に削がれていく内に、角が取れて丸くなってしまった。

幸せは自分で掴みに行けるけれど、絶望なんて交通事故みたいなものだから、どうせ起こすなら大事故起こして這い上がってみたい。

そういう癖に危機回避能力だけ察しが良くなってしまった所為でブレーキばかりを踏んでいる。

だって疲れてしまったんだと笑う割には、それでも諦めきれないからちゃんと悲しむんだね。

こんなハズじゃなかった、それはそれは、私が私を愛するための痛み。

呆気ないね、仮染の強がりなんかでは到底叶いもしないのに。

どこからとも無く与えられる牽制のお陰で欲しがらなくても良くなったのは、手に入れないと気が済まないと駄々捏ねる我儘への抑圧。

やってもない事への羨望は、抱くだけ抱いたっって届きはしないから、だったら足を伸ばす方へ徹する。

人に言えないことなんて、あるに決まってるでしょそんなこと。

這いつくばっても恥ずかしくなんてない、だって誰も見てないもの。

冬から春に変わって衣服を薄手にしていくときの心許なさを、手に刃握りながら隠し通す。

「君は、嬉しいと泣く人間なんだね。」