折角写真機で撮った写真は、ひとつのボタンの掛け違いの所為でぜんぶぼけて映っていた。 揺らめく残像がエモいね、なんて、そんなエモーショナルさは君を前にしたら無力だ。 散りばめられた蝉の死骸の断片で、安上がりな笑顔のまま御託に並べる。 夜の照り返…
だんだん、疑問に思わなくなっていく。 なんで、とか、どうして、とか、思わなくなっていく。 順応してって、壊れないように、崩さないように、丸め込む。 忘れていく。 何を疑問に思っていたのか、何に対して儚く絶望を抱いていたのか。 小さい夜が幸せだっ…
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