水面に波紋
たまに、ふと、思う。
死んだ魂は何処へ行くのか。
意識はどうなるのか。
私は、私という存在は、果たして消えるのか、否か。
死が怖かった。
漠然と広がる曖昧なものが怖かった。
宇宙、数字、永遠、はたまた愛。
人の悩みの大半は、人間関係に起因するんだってどこかの本に書いてあった。
人間関係が広がれば悩みもそりゃあ増えるよ、当たり前だろ。
感情を殺せたら無敵だよね、って話をしたことがある。
すべての人に対して同じ距離感で、好きだよ、を言えたら惚れっぽいと見誤るくらいの浅はかさで美しくいられる。
だからか敢えて自分を駒として見ているんだ、その方が楽だと逃げて。
傲慢な態度はいつか自分を殺す。
分かってるんだ、分かってるんだよ。
だけど、そうしていることに安寧を求めている。
だからバカだと呆れて、それで、会話によって生まれるリスクを忘れさせてくれたらいい。
嘘はその人が本当に隠したいことを如実に現すから可愛い。
その可愛さで見縊って、一掃できるようにしているから賢明な用意周到が腹立たしい。
いつだって、逃げられる、思い込みが加速して足を引っ張る。
もうちょっとだけ嘘が上手になりたい。
そしたらきっと傷つかなくて済む、傷つけなくて済む。
ズルい大人はだから嫌いだ。
いつの間にかするりといなくなっている。
いっそ殺せてしまえたら私は優しくなれるのに。