本を読む理由
これだけ情報量がごった返して錯綜している癖に、テレビというものをあまり見ないし、スマホばかり弄っていたって目に痛いからという理由でネットニュースさえ見ていない。
だから世の中で何が起こっているか全然存じていないし、この前日本にテポドン落ちたって言われて本気で信じた。
その所為でよく台風の日に傘を忘れて雨に降られるし、着こなしを間違える。
政治や経済なんて、必要必需品が支給される制度になってから知ればいいと思っているし、エンタメの話題なんて自分がある程度幸せになってからでも遅くないと思っているからいつまで経っても時代遅れで、明日の話題にもついていけない、ついていかなくてもいいと思っている。
世界が平和になるのなんて、きっと人類が滅亡したときなんだから、そんな焦らなくていいよ、精々間違って人殺したりさえしなければいいんじゃないかな、犯罪は不味かろう、流石にね。
ワイドショーを賑わすのは特に知らない誰其れの話だから、それより私は今日うまく生きれるかどうかの方が気になっている。
十二星座の占いで明日の運勢が決まるなら、牡牛座が一位の時だけお知らせしてほしい、その時だけは渋々テレビをつけてやらんでもない。
トレンド追うよりは男か女にモテる服だけ選ぶし、それよりも自分の好きな格好をして生きていたい。
流行りの曲をプレイリストに入れるくらいなら、すれ違った名前のない曲を必死で探すのに時間を費やす。
イケメンも可愛い子も美人も大好きだけど、ドラマを見るなら原作読みたい派だったし、アニメよりも漫画派だった、昔から。
それでも犬か猫かその他かの動物の癒やし動画だけは減らないね、みんな飢えてるのかな、とか思いながらたまにそれだけはぼうっと観たりするからリモコンの場所だけは忘れないようにしようとする。
だけどなんで正しいメイクのやり方とか、はじめてのセックスとか、金を稼ぐ大変さとか、性病のアレソレとか、コミュ力の高め方とか、社会で自我を失うコツとか、本気で人を愛する方法とか、教えてくれないのかな、せめて女子力とか死語になればいいのに。
だから、私は本を読む。
頭が良くなる為じゃない。
頭が悪くてもいいと思わせてくれるから。
なんだかんだと生きていける方法が載ってたりするから。
たったひとりで恋愛して、たったひとりで失恋するって孤独を味わえるから。
ところで一生愛するよって言われるより、セックスしたいって言われる方が、なんだか信憑性があるよね、私は後者を信じるよ。