脳がない!

カリソメの体でしか生み出せないものたち

生を全うして今を生き尽くす

男も女も掃いて捨てる程いるのに、この人でなければ生きていけないなどと陳腐な言葉を並べては依存する。

うちの彼氏働かないんだよねって言ってる女は多分ヒモ男製造機だし、俺の彼女メンヘラなんだよなって言ってる男はメンヘラ女製造機なんだと思う。

私含め、少なからず大抵の人間の一部に狂った醜く弱い病気的部分は存在するのだろうけれど、それをとってつけて機嫌を損ねることがあったとしたら、甘えだな、と思って自分を戒める。

稀有ではないのだ、空気を吸うように、いつだって病める狂える準備は整っていて、だけれどそうしないのは、そうしていては生きていけない事を知っているからだろ。

本物の絶望も、本物の愛も、見たことなんて無いから私は感情の85%を弄んでいる。

だってほら、簡単に、あの人を傷つける言葉はするりと思い浮かんで、容易い攻撃方法を持ってしているのに、敢えて喜ばせるだろう言葉ばかりを選んでは寂しさ隠して笑っている。

日本語は不便ね、刃の様な言葉の方が蔓延しているから態とらしく美しいね。

 

執着することはみっともないことだろうか。

誰が美人で誰が附子だとか。

誰が誰を好きで嫌いだとか。

誰が優れていて誰が劣っているだとか。

そんなもの、自分の生き方に関係なんてしないのに、膨らむことをやめないね。

小汚い大人にはなるなよ、どうせ、使っていればへたれてくるんだから。

 

愛して止まない人がいるにも関わらず、まったくタイプでない生理的に受け付けない人とセックスする感覚。

快楽とは程遠い、作業という名の自己解決。

人知れず流した涙はそいつの不潔なシーツの上で蒸発した。

掌で握り潰した熱情は、少しだけ死の味がしていた。

人の感覚も価値観も、至って理解に及ばないものだ、経験したところで分かり得ないことなんてザラにある。

平気なフリして真夜中を穢して、気取って装える釈然さを、きっとこれからも味わっていくのだと思う。

まったく、意味もないのに、望まれたわけでもないのに。

それは私がそういうプレイを選んだからに過ぎない。

そうして、偽りの数だけ増やして、死んだふりしている愛の欠片は朝が来ないのを求めて目を瞑り続けている。

素直になれたらよかったのにね、見境なく、構わずに、すべて吐き出せたら楽になるのに、嘔吐物なんて誰も好んで拾ってはくれないよね、当たり前に、それが例え愛だろうと。

 

どうか、届いてくれませんように。

私の愛した純情が、一晩で汚れたって構わないから、ご健全で幸福に。

明日も良き日でありますように、そこに私がいなくても、気付いた情に枷なんて嵌めないで。

容れ物が使い物にならなくたっていいから、私の魂は赤か黒か白でできていて欲しい。