脳がない!

カリソメの体でしか生み出せないものたち

行き先

実家に帰ったら、そのまま鍵を置いてきてしまって、せっかく新宿にまで戻ってきたのにあの長い道程をまた行く、この時間の無駄さ。
嫌いじゃないけどもう少し暖かい季節なら愛せたかもしれないのに、こうも寒いと苛立ちしか起こさせないね。
ところで実家が私の戻る場所ではなくなってしまった事実。

 

私の可愛い後輩はいつの間にか学生結婚していて、いつかのセフレは子供が生まれていた。
金を貸した昔の男は同棲していて、その金は未だに返ってこない。
7万あったら今の一ヶ月分の家賃払えるよ、とか思ってる。
そういえば、私の尊敬している先輩もそろそろ結婚するらしい。
高校時代の友達は、仕事で遠くまで引っ越したけど、この間帰ってきていた。
遊んでばっかいた悪友は、今はトラックの運転手をしているらしい。
この間、ようやくバイクを買ったんだってツイッターで呟いていたのを見かけた。
血塗れになりながら毎日を生きていた女友達は、彼氏ができて落ち着いたらしいからちょっとだけ嬉しい。
オタク友達は相変わらずオタクをしているし、ここのところの経済を回しているみたい。
デザイナーになりたいって言っていた幼馴染みは、この前期間限定のショップを都内で立ち上げていた。
もう生きたくないっていっていたのに、まだその子はご存命だし、そんな感じでいいんだと思う。

 


私はこの一年、元気だったり、元気じゃなかったりしてました。
当たり前だけど、当たり前じゃない日常が毎日そこにありました。
毎日は、苦痛でしんどくて、時々楽しいから生きている。
新しい人との出会い、そして別れ。
新しい感情を知って、抱き締めた。
抱かれながら泣いたから、大切だって認知した。
その日、永遠は来なかった。
もしかしたら明日死ぬかもしれないこと。
恥、失敗、後悔よりも思い残し。
大事だって、言葉にできる喜び。
尊敬は、私にとってすべての感情の最上級だった。
あらゆる感情は勝手なんだってこと。
それを人の所為には誰もできないね。
今日想ったことを明日忘れてしまうかもしれないから今日を生きる。
ペンは持ってるのに書きたい何かが見つからない時。
雑踏に紛れる。
誰も、私のことを見ていないから自由だった。
やると決めて、やること。
それは時として満場一致ではない。
だけど、やる。
いずれ、みんな死んでしまうから。
今抱えている大切なものをすべて持って、いずれ死ぬ。
死が怖かった、未知だからだ。
同じ感覚で、新しいものは怖いのかもしれなかった。
だから、今のうちに慣らすのも手だと思った。
未知、挑戦、行き先は未来。